宮崎県内の黒毛和種牛胎子および出生子牛における死廃事故の疫学調査

摘要

本県における黒毛和種牛の胎子、出生子牛の事故低減を図るため，過去10年間における事故発生状況の調査、分析を行った。月別の事故発生状況には差は見られなかったが，組合別には有意差が認められた。 事故発生頭数は引受1.000頭当たりで最高のA組合では43．4頭，最低のJ組介では31．4頭となった。 病名では胎子死，腸炎，虚弱子等が上位を占め，毎年同様な傾向であった。 さらに胎子死についても，組合別に有意差がみられ，引受1，000頭当たり最高はA組合の17．9頭，最低はD組合の12．0頭であった。 これらの結果，県内10組合は事故の発生状況によって4つのグループに分けられ，そのグループ毎に適した損害防止を実施する事が，今後の事故低減につながると考えられた。