福岡県におけるアイノウイルス感染症の発生と流産胎子からのアイノウイルス分離

摘要

アイノウイルス（AINOV）感染症は，ブニヤウイルス科ブニヤウイルス属のシンブウイルス群に属するAINOVの感染によって起こる牛の流行性異常産である。 福岡県では，1988年以来AINOVに対する疫学調査を実施し，AINOVの流行および牛異常産との関わりについて検討してきた。 そのなかで，1995年のAINOV流行時に発生した流産胎子からAINOVを分離し，引き続いてAINOV感染症の多発を確認し，AINOVが年異常産の原因ウイルスであることを直接証明した。 このことを含め，福岡県内のAINOV流行および年異常産の発生状況から，AINOV感染症の対策について述べる。