ホルスタイン経産牛における分娩後の初回授精不受胎に係わるリスクファクターの解析

摘要

管内の13酪農場について，分娩後の初回授精不受胎に係わる牛側要因を把握する目的でロジスティック回帰分析によるリスクファクター解析を行った。 初回授精受胎率が低い1酪農場では，解析の結果，乳熱の発症をらびに乳量と初回授精不受胎の間に有意な相関（p＜0.01ならびにp＜0.05）が見られた。 この結果に基づき，乳熱予防ならびに泌乳期の飼料給与における蛋白およびエネルギーの改善を行ったところ，初回授精受胎率の向上が認められた。 ロジスティック回帰分析によるリスクファクター解析は繁殖成績向上のための要因を把握する方法として有効な手段であり，解析結果に基づき改善指導を行うことで繁殖成績の向上が期待できるものと思われた。