乳牛の第四胃変位における内科的療法とびhつり法の評価

摘要

乳用牛の第四胃変位治療を安価でしかも省力化するため，臭化プリフィニウム製剤を中心とくした内科的療法と経度的第四胃固定術であるびhつり法を実施し，治癒率，治療費，治療回数の3項目について調査し，開腹手術のそれと比較検討した。 左方変位40頭に対しびhつり法を実施し37頭が治癒した。 有力変位では，捻転を伴わない27頭に対し最初に内科的療法を行い18頭が治癒し，効果のなかった9頭にびhつり法を実施し6頭が治癒した。 治癒率では開腹手術の86．4％と同等以上の結果となり，治療費では左方変位が67％，右方変位が59％削減でき，治療回数も3回以上削減できた。 以上から，内科的療法とびhつり法は第四胃変位治療の第一選択として有効と思われた。