黒毛和種繁殖農場における分娩間隔短縮の取り組み

摘要

分娩間隔が延長している管内S市の黒毛和種繁殖農場11戸において，分娩間隔延長の原因を探るた め血液，糞便寄生虫検査および飼養管理調査を行った。その結果，調べた血液生化学検査項目および 血中ビ夕ミン濃度と分娩間隔との間に関連性は見出せなかった。しかし，飼料給与およびBCSの調査 結果から，飼養管理が適正な農場は分娩間隔が短く，給与飼料については不足よりも過剰において分 娩間隔が延長する傾向が伺われた。さらに，農場の繁殖管理は繁殖成績に大きく係っていることが認 められ，繁殖管理台帳の記録を整理，活用することが分娩間隔の短縮に有効な方法であることが示さ れた。また，繁殖管理の適切化指導の後においては，初回AI数の短縮が認められ，繁殖管理の適 切化の指導は農場における繁殖管理の重要性を認識する上で有効であることが示された。