牛呼吸器感染症起因菌の薬剤耐性の推移と治療対策

摘要

1986～2002年に山形県の1地域で，呼吸器感染症と診断された6日齢へ12カ月齢の牛585頭の鼻汁から分離されたマイコプラズマなど討950株の起因菌を供試し，最小発育阻止濃度（mIC）の推移を調べた。 その結果’且解一年」asma bovisに対するタイロシンとチアンフエニコ，一ル（TP）のmIC億は，使用頻度が高まつた199フ年以降徐々に上昇した。 Pasteurella multocidaに対するTPのそれも2000年以降次第に上昇し，2002年には65.2％の菌株が耐性を示すと同時に，両薬剤の臨床効果も著しく低下した。臨床現場における呼吸器感染症起因菌の薬剤耐性モニタリングは，家畜の細菌感染症治療における適切な抗菌剤選択のみならず，耐性菌出現防止に対しても重要な情報を提倶することになる。