子牛下痢症多発の 黒毛和種繁殖農場における 妊娠末期牛の管理を中心とした対策

摘要

管内一黒毛和種繁殖農場において1-2週齢の了-牛に下痢症が多発していたため，飼養管理状況の 調査に基づいて，(1)妊娠末期牛に対するバイパス蛋白飼料の添加，②母牛への下痢ワクチン接種時期 の変更.3細霧システムをfflいた牛舎消毒を対策として実施した。その結果，妊娠末期牛に有意な血 清総蛋白質量の増加（P<0.05),遊離脂肪酸の減少(P<0.01)がみられた。対策後，30日齢以下の子牛の 下痢発症率.死亡率，診療回数.診療点数，輸液実施率および重症化率は有意に減少した（P<0.05)。 以上のことから，妊娠末期牛の管理および牛舎環境の改善は，哺乳子牛の下痢症対策に効果があると 示唆された。