超音波画像検査による卵胞数の計測に 基づく供胚牛の選定技術の開発

摘要

徳之島は西南暖地に位置し，黒毛和種生産雌牛は増加傾向にある。NOSAIみなみでは，優良雌牛 の産子の増加および改良を目的として採胚を実施してきた。しかし，徳之島におけるこれまでの胚移 植は，回収胚数，正常胚数がともに少なく，また，供胚牛における成績が個体毎に大きくばらつくな ど，効果的に実施出来ていなかった。今回，過剰排卵処理前の供胚牛の卵胞数を超音波画像検査を行つ て計測したところ，回収胚数の予測が出来ることが示唆された。また，採胚前30日の卵胞数も回収胚 数の予測に利用可能であることが示唆された。これらのことから，過剰排卵処理前の卵胞数の計測は 供胚牛の客観的選定手法として有用であり，採胚成績の安定化に効果があると考えられた。