岩手県県北地域における酪農家のHACCP方式導入の取り組み

摘要

HACCP (Hazard Analysis and Critical Control Point)は，食品製造における衛生管理手法の国際基 準として世界的に普及しており，製造工程の危害分 析および重要工程の集中管理を特徴とする。近年，食の安全に対する関心の高まりから，畜産農場にお いてHACCP方式による衛生管理が推奨されるよう になった。しかし，食品製造、加工業のように認証 制度がなく ，未実施農場との差別化が困難であり， メリットカ《確立されていない2)ため普及推進が困難 である。また，乳用牛は他の畜種と比較し，粗飼料 生産など作業工程が多いうえ，導入には多岐の項目 の文書化や専門知識が必要であり，人的余力が少な い家族経営の酪農家はHACCP方式の導入に係る農 場の作業，労力および時間が不明瞭であることに不 安を感じていた。