腸管手術のコツ

摘要

腸管手術は腸捻転，腸間膜捻転，腸重積などの腸閉塞性疾患がその適応で，一般的に左側横臥右側腰部切開が適するとされています。腹腔の探査は起立位の方が行いやすく，諸臓器の位置関係も理解しやすいかもしれませh。しかし，全身状態が良くない場合には痺痛や長時間の手術による疲労のため，術中に座り込hでしまう可能性があります。また，多量に貯留した消化管内容液の除去や，開腹前には予想できなかったような異常（腹腔内の膿瘍形成や臓器の広範な癒着など）に対応する必要が生じることもあります。第四胃変位の整復術を既に行っており，腹底に第四胃が固定されている場合や，超音波検査などによりその必要が認められる場合には，傍正中切開も考慮する必要があるかもしれませh。全身状態と手術場所（手術設備を備えた診療所か現場の農家か）にもよりますが，通常は横臥位での手術を選択すべきです。