暑熱ス卜レス下の ボルスタイン種乳用牛における高張食塩液投与の治療効果

摘要

暑熱ストレス下にある乳用牛に対して高張食塩液を静脈内投与し，一般t>t態および血液性状につい て，従来，アシドーシスの改善を目的として使用されてきた重曹の投与と比較し，その効果を検討した。高張食塩液投与直後の循環血槳量指数，血清Na濃度ならびに血清浸透圧は重曹投与群と比較し て有意に増加し，投与翌日の血中pHは重曹投与群と比べて有意に増加，血中総C02量は増加傾向が みられた。また，高張食塩液の投与翌日に体温は低下傾向を示した。従って，暑熱ストレス下にある 乳用牛に対する高張食塩液の投与は，循環不全および代謝性ァシドーシスの改善のための有効な治療 法の一つであることが示唆された。