SIGEX法を利用したメタゲノムからの代謝系酵素逼伝宇のスクリー＝ング

摘要

自然環境中には多様な代謝活性を有した様々な原核生物が存在しているが，その大部分ほいまだ分離、培養されておらず，また今後も分離、培養が難しいと考えられる．これら難培養生物がもつ多様な酵素の中には，産業上有用な新規酵素（特に有機化合物代謝系の酵素など）が多数含まれていると期待されている．近年，培養に頼らず新規有用酵素遺伝子を獲得する方法として，メタゲノムライブラリーを利用する方法が注目を集めている．従来のメタゲノムライブラリー利用法においては，遺伝子配列や酵素活性に依存したスクリーニング法により，目的遺伝子をもつクローンの選択が行なわれる．これに対し，筆者らは遺伝子の発現に依存した新しい代謝系酵素遺伝子スクリーニング法であるSIGEX法を考案した．本稿では，SIGEX法の開発の経緯，およびその有用性や限界について述べる．