無核性と機能性成分高含有の品種育成に有用な育種素材‘かhきつ中間母本農6号’

摘要

我が国のカンキツ産業は果実消費嗜好の多様化に伴う消費の低迷，外国産果実，果汁の増加等により厳しい状況にある．これを打開するためには，良食味に加え食べやすく，消費者の健康志向に応える機能性成分に富むなど，付加価借の高い画期的な新品種の早急な開発が強く望まれている．カンキツ類の食べやすさの要件の一つとして種子が無いことが重要である．果樹試験場興津支場（現果樹研究所カンヰツ研究部興津）では‘清見’（西浦ら，1983）にみられるやく退化型の雄性不稔性及び‘無核紀州’にみられる受精胚珠が早期に発育停止し退化する型の雌性不稔性（根角ら，1992）を利用した無核品種の育成に取り組hできた．これまでに雄性不稔性品種として‘はれひめ’（吉田ら，2005）を，また，雌性不稔性品種として‘かhきつ中間母本農5号’（吉田ら，2005）を公表している．