LAMP法によるタバココナジラミバイオタイプBと Q識別技術の開発

摘要

タバココナジラミ(Bemisia tabaci)は体長0.8 mmの 半翅目に属する昆虫で，野菜、花き等広範囲の農作物を 加害する。本種には遺伝子型の異なる41の個体群が報告 され，その内24個体群に特定のバィォタイプ名が与えら れている。バイオタイプQは，日本では2005年に西日 本での発生が報告された。各県の病害虫発生特殊報に よれば2009年現在，九州から東北まで分布を拡大して おり，愛知県の農業現場ではバイオタイプBとQが混 在している状況にある。バイオタイプQはBと同様に， トマト黄化葉巻病の病原ゥィルス(Tomatoydlow leaf curl virus, TYLCV)の媒介，成虫の吸汁による生育阻害， 成虫の分泌物に起因するすす病による葉、果実等の汚れ といった害をもたらす。また，バイオタイプBと比べ てネオニコチノイド系，合成ピレスロイド系薬剤等に対 する感受性が低く，防除対策上の問題となっている。バ ィォタイプBとQの主な識別法としては，上田らの 報告したPCR-RFLP法が開発されているが，本研究で はloop-mediated isothermal amplification (LAMP)法を禾 用することにより，迅速に識別する方法の開発を試みた。