ピリブロキシフェン剤のチャ寄生クワシロカイガラムシに対する防除効果と天敵類に対する影響 Ⅰ．茶園のクワシロカイガラムシに対する防除効果

摘要

チャを加害するクワシロカイガラムシPseudaulacaspis pentagona（nrgioni）は，その防除適期がふ化時期の数日間と短期間であることなどから，チャの難防除害虫となっている。防除に当たっては，防除適期の正確な把握が重要であり，有効積算温度による精度の高い適期予測法も開発されが）。しかし，個々のほ場ではふ化時期にばらつきがあり，また同一ほ場内でも微気象の違いから，茶園の周辺部と内側でふ化時期に数日間のずれが生じることも観察されている。また，天候や生産者の作業計画などの理由により，適期に散布できない場合もある。従って，すべての茶園で薬剤を適期に散布することは実際には困難であり，現場では適期散布にとらわれない防除法の開発が求められている。