日本において一般的に食されている野菜、果物の親水性抗酸化育 およびこれらの食品からの親水性抗酸化物質一日摂取量の推算4

摘要

近年，がh，糖尿病といった生活習慣病，アルッハ イマ一病など種々の疾病の発症および増悪に活性酸 素-フリーラジカルが関与していることが明らかと なってきた.このような活性酸素'フリーラジカルを 消去し，健康を維持増進するため，野菜，果物など の食品に豊富に含まれる抗酸化物質に大きな関心が寄 せられている.我々は，通常の食事から複数の抗酸化 物質を組み合わせて摂取している.そのため，個々の 抗酸化物質について個別に研究するだけでなく ，抗酸化物質の総量を反映する食品の抗酸化能（Antioxidant Capacity ： AOC)に着目した研究が必要である.現在ま でに，AOCを指標として用い，抗酸化物質の総摂取量 と健康に関する疫学研究が幾つか報告されている力,AOCの高い食事が健康維持に有用であることを示す研 究がある一方，無関係とする研究もある.研究 結果が一致しない原因の一つとして，研究に用いた食 品の抗酸化能データベースが不適切であり，食品数が 限られていたり，名称は同一だが品種が異なる海外の 食品の分析結果をそのまま引用しているため，AOC摂 取量を正確に推算できていない可能性が考えられる. 抗酸化物質摂取の健康影響を疫学研究で明らかにする ためには，調査対象者に合致した食品の抗酸化能デ— 夕ベースを構築することが重要である.