ハブトグロビンの遺伝子多型は疾患罹患リスクおよびビタミンEの 疾患予防.治療効果を決定する重要な因子の一つである

摘要

粥状動脈硬化の発症，進展には，酸化ストレスが重要な役割を果たしている.活性酸素種（reactive oxygen species ： ROS)は，内皮細胞や血管平滑筋細胞において； 細胞内の酸化還元状態により調節される転写因子である nuclear factor-kappa B (NF- kappa B)や activatorprotein-1(AP-1) を活性化する.これら転写因子の活性化によって， vascular cell adhesion molecule-1(VCAM-1)，intercellular adhesion molecule-1(ICAM-1)などの接着因子，monocyte chemoattractant protein-1(MCP-l)などのケモカインの発現 が誘導され，単球や好中球の内皮細胞への接着，内皮下 への侵入が促進されるU.また，酸化ストレスは，血中 の低比重リポタンパク（LDL)を酸化し変性させる.