三浦半島西岸荒崎におけるコベルト力二モリの生息状況

摘要

コベルト力二モリ（別名コォロギガイ）は新生腹足目ォニノッノガイ科に属する巻貝であり，我が国においては房総半島、男鹿半島以南に分布する（長谷川，2000)。本種は岩 礁域ゃ転石帯において潮間帯から潮下帯にかけて生息するが（長谷川，2000)，その生息 場や生活史などに関する生態学的知見は極めて限られている。コベルトカニモリは各地に おいて個体数が減少していることが報告されており，千葉県および愛媛県のレツドデータブックにおいては重要保護動物または絶滅危惧n類に（須賀、石川，2003;黒住，2011)，岡山県と熊本県のレツドデータブックにおい ては準絶滅危惧種に指定されている（熊本県，2009;福田，2010)。また，神奈川県レツド デ一タブックではそもそも貝類を対象として いないが，三浦半島においては1978年には本 種が消滅したと推測されており（池田， 2000),県下においても本種の個体群は著し く縮小している可能性が考えられる。