才才バウマノスズクサとタンザワウマノスズクサ（ゥマノスズクサ科）の形態的,生態的な違い

摘要

タンザワウマノスズクサAristolochia kaempferi Will. var. tanzawanaKigawa (ゥマノスズクサ不斗) は，神奈川県秦野巿の丹沢山塊鍋割山で採取され た標木(S. Kigawa, Jun.11,1988, KPM)をもとに変種として記載された（Kigawa 1989). Kigawa (1989)および城川（2001)では，葉の形態と葉裏 の毛の性質の他，花被の舷部の色や模様,筒口の 模様，花のサイズにおいてォォバウマノスズクサ とは異なる特徴があることを記しているが，分類 学的な取り扱いでは花形態の違いは重視されてお らず，葉裏中肋に開出毛があることのみでォォバ ゥマノスズクサの変種として位置づけられてい る.またタンザワウマノスズクサ（筑波山付近か ら太平洋側内陸部を愛知県蓬莱山付近まで）とォ ォバウマノスズクサ（関東以西の太平洋側，四国，九州）の分布境界では，両者の推定交雑個体が観察されている（Kigawa 1989，城川2001).