マルチプレックスPCRによる複数種の植物ウイルス種の同時検出法

摘要

現在,植物ウイルスを検出する手法として,血清学的手法と分子生物学的手法が広く使われている. ELISAを中心とした血清学的手法は低コストであるが,それぞれのウイルスに特異的な抗血清が必要であり,ウイルス種によっては抗血清の入手が困難あるいは不可能な場合がある.これに対し,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR),loop mediated isothermal amplification (LAMP)およびisothermal and chimeric primer - initiated ampli丘cation ofnucleicacids (ICAN)などの分子生物学的手法は,塩基配列情報から標的配列に特異的なプライマーを合成することでいかなるウイルス種にも対応することが可能である.