クズ種子の発生消長、出芽深度、生死に及ぼす莢の影響

摘要

クズ種子の発生消長、出芽深度、死滅に及ぼす莢の影響を 野外のポット試験で調べた。クズ種子および未開裂の莢を2013年2月21日に，0 cm, 2.5 cm, 5 cmおよび10 cmの深 さに埋設し，2013年10月28日まで，継時的に出芽数を調査 するとともに，埋設8力月後に種子の死滅をTTC法により 調べた。その結果，累積出芽数は種子区および莢区ともに2.5 cm>5 cm>0 cm>10 cm埋設区の順で多く，10 cm埋設区では出 芽は全く観察されなかった。また.埋設深が2.5 cmの場合， 種子区では，出芽は4月に集中した力5,莢区では，4月から 8月にかけて分散した。さらに，種子の埋設深度と埋設状態 (種子が剥き出し状態で散布されているのか,莢内に含まれた 状態で散布されているのか）にかかわらず，全ての種子の生 存が確認された。以上の結果から，莢は種子の出茅深度と死 滅に影響しないが，出芽期間を長期化させる機能を有してい ることが明らかになった。