九州における良食味品種「ヒノヒカリ」，「ははえみ」，「かりの舞」，「あきげしき」の育成

摘要

宮崎県総合農業試験場作物部育種科は，1947年に温暖地向き多収、良質、耐病性品種の育成を目的に，農林水産省水稲育種指定試験地に指定されて以来，数々の品種を育成し，特に，九州における稲作の振興に貢献してきた．この50年以上の問に宮崎県水稲育種では大きく3回の新品種の育成が続いた時代があった．第1回目は1962年の「オオヨド」の育成から，1969年の「トヨタマ」の育成まで，8年間で6品種を育成した．特に，「トヨタマ」ほその後の育成品種の母本として大きな役割を果たした．第2回目は1974年の「ミズホ」の育成から，1981年の「ニシヒカリ」の育成まで，8年間で7品種を育成した．この時代の品種は良質，安定，多収に特徴があり，特に，「ニシホマレ」ほ九州を代表する良質多収品種となり，また，「コガネマサリ」は中国、四国まで広く普及した．第3回目は1989年育成の「ヒノヒカリ」を中心とする，1986年の「ミナミヒカリ」の育成から，1997年の「あきげしき」の育成まで，12年間で14品種を育成した．