公開SNP情報を利用したゲノムワイドアソシェ一ション解析（GWAS)による高温ストレス下のイネ吸水種子の胚におけるタンパク質凝集体の蓄積に関わる候補遺伝子の同定

摘要

植物では高温で生育阻害が引き起こ される力、その機構は十分に明らかにはされ ていない。これまでに私たちは、吸水時のィ ネ種子への高温処理による発芽ゃシユート伸 長の阻害に、胚でのタンパク質凝集体の蓄積 による代謝活性の低下が関与することを明らかにした（第132回-第134回日本育種学 会)。しかし、生育阻害に関わるタンパク質凝 集体の蓄積を制御する遺伝子は同定されてい ない。本研究では、タンパク質凝集体の蓄積 の制御に関わる遺伝子の同定を目指し、はじ めに、イネ70品種の公開SNP情報を用いた ゲノムアソシエーション解析（GWAS)によ り、胚乳アミロース含量と種子長径に開わる 既知遺伝子の検出を試み、種子形質に関わる 遺伝子の新规同定に対する当該手法の有効性 を評価した。つぎに、当該手法を用い、吸水 時に高温処理したイネ種子の胚における不溶 性タンパク質量の増加率について解析を行 い、タンパク質凝集体の蓄積を促進または抑 制する機構に関わる候補遺伝子の同定を試み た。