日本におけるNST制度の動向

摘要

2006年度診療報酬改正により，4月1日から食事療養費の変更，特別管理加算及び選択メニューの廃止と減算が続く中，入院料加算として全ての入院患者に対し「栄養管理実施加算」が新設された。 すなわち，これまで栄養管理というよりも，むしろ“食事”を提供するための経費であった食事療養費は，今回の診療報酬改正によって患者の立場に立脚した病院食経費として完全に独立した。 そして「栄養管理実施加算」の新設によって，栄養管理は全ての治療の基盤としての確固たる地位を獲得したことになる。 しかもこの「栄養管理実施加算」は，ひとりひとりの患者に対し，チーム医療による適切で質の高い栄養管理を実施すること，すなわち全科型のNST（Nutrition Support Team：栄養サポートチーム）の稼動を求めているものと解釈される。