日本食品標準成分表2015年版（七訂）適用による 調理後食品を用t ^た栄養価計算に閬する一考察

摘要

【目的】曰本食品標準成分表2015年版において.調理前（原材料）と調理後食品を用いた献立の栄養価の差を明らかにし，栄養価計算 を行う際の留意事項を検討する。【方法】学内の給食管理実習における30曰分の昼食献立を対象に.調理を考慮しない「作成時」と考慮した「提供時」について対応のあるt検定またはWilcoxon符号順位検定を用いて1食あたりの栄養価を比較した。食品群別による比較も行なった。【結果】エネルギーの平均値土標準偏差は作成時で719±70 kcal,提供時で699土65 kcalであり.提供時で有意に低かった（p<0.001)。提供時で有意に低値となった栄養素は脂質，飽和脂肪酸.カリウム.カルシウム.鉄.ビタミンA.ビタミンB,,ビタミンB2,ビタミンCであり.食物繊維のみ提供時で有意に高かった。食品群別にみると.肉類と野菜類で提供時の栄養価の減少が目立つた。【結論】作成時と提供時の栄養価には統計的な差があり.栄養価計算は調理後食品で行うことが望ましいとわかった。両者の差は肉類 及び野菜類で調理後食品を用いることにより解消できると考える。やむを得ず原材料で栄養価計算を行う際は.カリウム.鉄，水溶性 ビタ5ンの給与栄養目標量を食事摂取基準の110~140%に設定すること.または.肉類の使用量を予定原材料の11596.野菜類を132% にすることで提供時の値に近似することが示唆された。