第1回和牛ルーツ、千屋牛

摘要

3月11曰の東日本大震災の報道をみた多くの人たちは、人間が生きるために、いかに衣 食住を必要としているのかを改めて痛感したに違いない。中でも食料は1曰として欠かすこ とができない重要なものという当たり前のことを再認識させられた。その食料に関して、わが国はその多くを輸入に依存し、自給率が著しく低い現状の改善が 何よりも必要と感じた向きも多かろう。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ことのないように、 各分野で大きいことでも小さなことでも改善に努力をしなければなるまい。食料自給率の向上を図る上で食肉については需要全体に占める国産品のシェア拡大が必要 とされている。その中で牛肉については産地ブランド化の推進によって市場開拓を進め、消 費者に支持されることを目指している。そのため、平成20年度から,日本食肉消費総合セ ンターによって国産牛肉の地域ブランド化による優良販売事例調査が3年間にわたり実施さ れ、優れた調査報告が出されたところである。本連載はそれとは別に同時期に実施された3年間の全国ブランド牛交流会に関わった1人 として、その概要を紹介し、大方の参考に供したい。第1回目は地方自治体の首長の発案で 始まり、第2、 3回は(社)全国肉用牛振興基金協会が主催したものである。