多孔質構造の金属シリコン粉末製造技術を確立

摘要

東北大学の加藤秀美准教授，和田武助教（金属材科研究所）と京都大学の市坪哲准教授（大学院工学研究科）は，比表面積が大きく，多孔質構造をした金属シリコン（Si）粉末の製造技術を確立した。金属Siは，リチウムイオン電池（LIB）の負極に現在使われているカーボン系材料にくらべ10倍以上の理論容量（約400mAh／g）を持つことから次世代の負極材料として注目されてきたが，充放電を繰り返すと内部組織が崩れやすくなるためサイクル寿命が極端に短いという欠点があった。新開発のSi粉末は，電解質と接触する表面積が大きく，リチウム（Li）イオンが挿入されても体積膨張やこれに伴う組織の歪みを緩和できる構造になっているため七由の長寿命·大容量化が実現できる。