カーロボティクスによる安全安心の向上に向けて

摘要

平成22年のわが国の自動車交通事故死者数は4863 人であり，10年連続して減少傾向にある．図1に示すように，ここ十数年の傾向を見ると，死者数は確実に減少しており，負傷者数と事故件数もここ数年で減少傾向に転じている．ただ交通事故は当事者およびその家族が受ける被害もさることながら，事故による渋滞などまで考慮すると，影響を受ける人の数は膨大になり，経済的な損失額は数兆円にも及ぶという試算もある．このような交通事故の現状に対して，事故を減らす努力が色々なされてきている．今後10年で世界－安全な国を目指してさらなる半減を担当大臣談話として発表している．一方，WHOによると，全世界で年間120万人の交通事故死者があると言われている．日本がこれまで蓄積してきた安全技術や経験を世界に広めて行くことが責務だと考えている．