開発·設計のデジタル·エンジニアリング活用

摘要

現時点では情報処理技術の限界から，製品開発の過程で行われている検証のすべてを試作をしないで実施できるわけではない。 例えば，製品から発生する騒音や臭気,製品の耐久性，雷サージの影響評価などは試作品を使って評価をしないと難しいと考えられる。 しかしながら，近年の情報技術の発達にはめざましいものがあり，かつては不可能と思われたシミュレーションが現在では簡単に実現できるようになってきている例はたくさhあり，仮想での検証が可能な項目は増え続けている。 本稿では，製品の設計·開発におけるデジタル·エンジニアリングの活用を，試作を極力しない設計を実現するという観点から概観した。 デジタル·エンジニアリングでは，単に従来からある業務をデジタルデータを使う形に置き換える，というだけの対応では十分な開発·設計の効率化は実現できない。 デジタル·エンジニアリングを活用して試作をしない設計を如何に実現していくかということが重要であり，現在では多くの企業においてそのための努力が不断に続けられている。