特集にあたって

摘要

人間国宝の桂米朝氏の落語で引用される都都逸に，『七つ八つからいろほを習いはの字を忘れて色ばかり』がある。 今の日本の現場のこ状況をぴたりと言い当ててしまっているような気がする。戦後一貫して「品質管理のいろは」を忠実に実践して成果をあげてきた日本が，最近10年間ほどほ「は」，すなわち肝心なものを忘れてしまい，どこか狂い始めてきてしまったというのがその心である．つい最近までMade in Japanを支える「品質」に絶対的なまでの自信をもっていたはずの日本で，今，多発している工場火災や事故，リコール，品質問題では，従来でほ信じられなかったような，品質管理の基本を忘れたような原因があげられている。