CO_2地中貯留への適用のための玄武岩質岩石の溶解実験--反応実験による溶解速度定数の推定

摘要

玄武岩質岩石の初期溶解速度と長期溶解速度が大きく異なること,および各種元素の溶解の時間依存性が異なることより，玄武岩質岩石の溶解はH~＋イオンとCa~(2+)，Mg~(2+)，Na~＋，K~＋イオンのイオン交換反応，次に打とA1~(3+)のイオン交換反応，Si-O結合のブレーキングの順序でおこるといえる。 玄武岩質岩石の溶解速度定数の推定を行った。 その結見玄武岩質岩石の溶解速度定数（long k [mol/m~2s］）は，pH依存性を示し，酸性条件で大きくダガが上がると小さくなり，中性条件で小さく，アルカリ条件でpHが上がると大きくなることが判明した。 中性付近での長期溶解速度定数（対数値）は－11.2～－11.7であった。 この倍は従来の値（－10.5）より1桁程度小さい。 初期溶解速度定数，長期溶解速度共に，試料により数倍程度の違いはあるが，有意な差があるとはいえず，変質の程度,組成の違いは溶解速度定数にあまり影響しないことが明らかになった。