中国の新しい自動車産業発展計画と省エネ·新エネ化の展望

摘要

中国政府（国務院）は2012年6月28日に「省エネルギー及び新エネルギー自動車産業発展計画（2012～2020年）」（中国語：節能輿新能源汽車産業発展規画（2012～2020年）、以下、発展計画）を公布した。これは04年の「自動車産業発展政策」、その調整版である09年の「自動車産業の調整と振興計画」（中国語：汽車産業調整輿振興規画）が出された後、急激に変化する自動車産業の今後の約10年間の方向性を示す施策である。当面の新しい「自動車産業政策」と考えてよい。中国にとって新エネルギー自動車の振興は、深刻な環境問題を長期的に緩和する重要な方法である。それに加え、これまで常に諸外国の後塵を拝してきた自動車産業において、技術の大きな変わり目に中国企業が一気に世界のトップに近づくチャンスだという期待がある。本稿では、発展計画の概要を解説し、これまでの自動車産業の発展過程と産業政策の関わりを振り返りつつ、発展計画が描く目標実現にとっての課題を考察する。