日米金融政策のかい離は拡大せず為替レートの円安圧力は極めて緩慢海外経済の下振れリスクに伴う円高進行に留意

摘要

2015年半ばに一時1ドル125円まで円安が進hだドル円為替レートは、2016年年明け以降は一転して円高基調となり、足元では100円程度で推移している。こうした動きを受けて、10月3日に公表された日銀短観9月調査の2016年度の企業収益（全規模全産業）は、依然高水準ではあるが、前年比で8.1%の減益を見込む等、製造業を中心に利益計画を下方修正する動きが広がっている。本稿では、昨年までの円安の動きと今年に入ってから進hだ円高の背景について、簡単に振り返りを行った上で、今後の為替レートの展望を考察していくこととしたい。