定置用蓄電池（ESS）市場--ESS を巡る外部環境の変化が肯定的シグナルを送る拡大するビジネスチャンスに関連業界が沸く

摘要

ESS 市場は、従来の停電など非常時に備えたバックアップ電源というイメージから脱却し、電力系統の周波数調整向けや再生可能エネルギーの出力安定化向け、電力需要家のピークシフト／ピークカット向け、鉄道の回生用途向けなど、幅広いアプリケーションに採用が拡大し、本格的な立ち上がり期を迎えている。今のESS 市場は従来のバックアップ電源向けに加え、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う電力系統の安定化対策としての需要と、電力の安定供給の実現、電気代の削減に向けた電力の自家消費の最大化への需要が市場成長を牽引している。電力料金は平均して上昇する流れにあり、米国ではESS に貯蔵された電力が電力市場に参加することができる道が開けたり、日本ではこれまで太陽光パネルの普及拡大を支えてきたFITの買取期間が2019 年をもって終了となるユーザーが出始めるなど、ESS の導入を促す方向へ外部環境が変化しつつあることが上述した需要の拡大に繋がっている。