溶血性尿毒症症候群に対する 遺伝子組換え卜ロンボモジュリンの効果

摘要

典型的溶血性尿毒症症候群(tHUS)は，微小血管障害による溶血性貧血，血小板減少，急性腎不全を3 主徵とする疾患である. tHUSは，腸管出血性大腸菌(EHEC)感染に起因して発症し小児HUSの約90%を占めるが，現在のと ころ有効な根治療法はない.一方，遺伝子組換え卜ロンボモジユリン製剤(rTM)はわが国で開発された 抗凝固薬であり，播種性血管内凝固症候群(DIC)や敗血症患者への有効性が示されている.本稿では， tHUSの発症病態，rTMの作用機序やtHUSに対するrTMの効果について，HUSマウスモデルを用い たわれわれの知見とヒ卜tHUSへの治療効果について概説する.