銅表面に生成した酸化第一銅及び酸化第二銅の分析法に関する研究

摘要

銅は電線、ケーブル、プリント基板などの工業製品によく利用される金属材料であり、比較的耐食性に優れる。 ただし大気環境下に曝されると、湿度や不純物ガスの影響によって表面に酸化被膜が生成して、外観不良や抵抗不良が起こりうる。 一般に銅表面の酸化被膜は酸化第一銅(Cu{sub}2O) と酸化第二銅(CuO)で構成される。 これらの銅酸化物の性質が異なるため、銅の腐食解析等の目的におぃては、各銅酸化物の定量的な評価法の重要性が高ぃ ￥长欷蓼恰~酸化被膜の定量的な測定法としては、一定電流で還元するクロノポテンショメトリー法（CP法）がよく用ぃられてきた。 しかし、計測データの解釈が統一されておらず、標準法としては問題があった。 本研究では、先に銅酸化被膜の分析法として提案された2回掃引を線返すボルタンメトリ一法、DSCV(Double Sweep Cyclic Voltammetry)法を用ぃて、銅酸化物の定性的かつ定量的な分析法の開発を行った。 さらには銅板表面に各種アニオンを付着させた状態で腐食試験を行ぃ、各酸化物の成長メカニズムを解析した。