冶金グループの活動をふりかえって

摘要

安価·高性能素材創製のために、凝固、加工、熱処理における組織形成過程をモデリングと実験シミュレーションを結合して相互連携的に把捉し、合金組成鈍感、不純物利用、微細組織設計制御を可能とする新プロセス構築のための設計理論と基礎知見を提供する。 循環型社会への転換は21世紀の人類的課題である。 そのための日本の寄与が求められている。 資源循環においてリサイクルが重要なキーテクロノジーとなる。 既に国民のリサイクル意識は高く、産業界の活動も活発である。 また、日本は地下資源に恵まれておらず、ほとhどの原料を輸入しており、大量生産、大量廃棄の時代を経てきている。 しかし、埋め立て処分場の不足など廃棄には多くの限界があり、産業廃棄物の大幅な削減が必要となっている。 2015年辺りには日本の人口は減少に転じると予想されており、内需もそれに伴って減少していくものと推察される。 一方、スクラップ発生は漸増し、終には内需量を上回る時代が到来する。 これらの近未来的な時代の変化に鉄鋼製造技術を適合して行かねばならない。 その意味で、われわれが主題とすべきは、「リサイクル性設計」と「スクラップ利用の新しい鉄鋼プロセス開発」となる（Fig. 1）。