戦前戦時～復興期における本邦2サイクル·ガソリン機関技術史断章（3）－トーハツの歩み,富塚清の可搬式消防ポンプとの係わりを通じて

摘要

消防機材の実用性を高めるための耐寒研究は，北国の消防関係者の苦労を軽減する目的で展開された．むろh，東京発動機で戦時下，生産されたそれを含め，陸軍の野戦用無線発電機は酷寒地における使用をも前提としており，極低温下での始動性確保策が講じられていた．もっとも，その実態を見れば，それがクイック·スタート性を重視する可搬動力消防ポンプ界に横滑りさせられるような体の技術ではなかったこと歴然である．