生活習慣病に関連した 骨粗鬆症の病態

摘要

骨粗鬆性骨折や心血管ィベン卜は高齢者の健康寿命を損なう2大イベントである。その背景にある のが糖尿病，慢性腎臓病(CKD),慢性閉塞性肺疾 患（COPD)などの生活習憤病である。これらの生 活習1t病は全て心血管ィベントおよび番折のリス クを高める。また，心血管イベント自体が将来の 骨折リスクの増加と関連する。逆に，骨折後は心 血管イベントが增加する。また，骨折は呼吸機能 を悪化させ，COPD患者の予後悪化にもつなが る可能性がある。一方，骨芽細胞が産生する骨基 質蛋白才ステオカルシンは，糖代謝の制御や動脈 硬化の病態に関与することが示唛されている。こ こにあげた生活習惯病および骨粗鬆症，動脈硬化 性疾患は同一患者にしばしば併存し得るcommon diseaseであり.これらの複雑な相互関係と背後 にある分子機序を解明することは臨床的にも極め て重要な意義を持つ。