てhかh脳における血管異常

摘要

てhかhは神経細胞の過剰興奮によって引き起こ される慢性の脳疾患であり，これまでのてhかh 治療では，主に神経細胞の過剰興奮を抑える薬物 が用いられてきた。しかし，てhかh患者の約30%が薬剤耐性を示す難治性てhかhを有する との報告があり，抗てhかh薬の標的として，神 経細胞に限らない脳内の他の細胞種にも注目が 集まっている。特に，神経血管ュニッ卜（Neuro Vascular Unit, NVU)を構成する脳細胞は神経 活動を操作しうる細胞群である。中でも，ァスト 口サイト，ペリサイト，そして血管内皮細胞は血 液脳関門（Blood Brain Barrier, BBB)を形成し， 体内を循環する血液と脳実質の物質交換の制御を 担っている。BBBの機能膝害はてhかh発症や 悪化の原因にも結果にもなるという報告があり， 脳内血管系の制御は新たな治療タ一ゲッ卜となる 可能性が惠ぃ。これに加え，てhかh脳において は，BBBの機能障害のほかにも血管過剰新生や 血管奇形といつた脳内血管異常が起こることが知 られている。これらの異常を引き起こす共通原因 分子としてVascular Endothelial Growth Factor (VEGF)が示唆されている。本稿では.血管形成 異常やVEGFに着目しながら，新たなてhかh 治療標的を探る。