MDCTで発生する大容量データの読影法

摘要

多列検出器型CTにより撮影の高速化および，体軸方向空間分解能向上がもたらされ，広範囲撮影が可能となった．1検査あたりの再構成画像枚数は飛躍的に増加し，これらをvolumeとして捉え観察する必要が生じた．従来，三次元画像は何らかの異常が発見されたときにその概観像や解剖学的情報を得るために利用されたが，今後は存在診断を含め読影時に常時利用するものと考えられる．volume rendering（VR）を一般的な読影に利用するためには，断面におけるCT値の情報が重要であるので，陰影処理をしないnon－shading VR（NSVR）を利用し，ボリューム内をナビゲーションするように観察するにはinteractive sliding slabの活用が重要と思われる．interactive sliding slabを用いたNSVRや最大値投影法を用いることで，広範な部位および疾患に対応可能と思われる．