「古事記」に現われた酒（2）

摘要

『古事記』に現われる酒造りの項目を，既報した『万葉集』『風土記』『日本書紀』などの場合と同様に分類し，表3-1，3-2に示す。本記〔上巻　天照大神と須佐之男命　6．須佐之男命の大蛇退治〕条に登場する「八塩折の酒」といえば，八遍も繰り返して醸造した強烈な酒，いゝ換えれば何度も何度も遣り返し醸した純酷な酒のことである。『日本書紀』（巻第1神代上 第8報（本文））には「八醍の洒」とあり，また『日本紀私記1）』には，この酒を次のように解説している。