積分筋電図を用いた顔面神経麻痺後遺障害に対するボッリヌス卜キシンを併用するリハビリ療法の治療効果判定

摘要

末梢性顔面神経麻痺は一般に予後良好とされるが、神経障害が高度な場合は後遺障害が残存し、患者のQOLは著しく低 下する。最近では、この後遺症に対してリハビリテーション とボッリヌストキシン（以下、BTx)の併用療法や形成外科 手術が積極的に行われている。しかし、現存する顔面神経麻 痺評価法では、後遺障害そのものの評価も十分でないため、 これらに対する各種治療法の効果についても検証が困難であ る。Sunnybrook法はリハビリテーション領域で主に使用さ れているが、治療者の主観的評価となりがちであるとともに 形成外科手術の評価には応用しづらい。我々は評点法による 後遺障害評価を以前より検討してきたが[1]、評価者による 差異が十分には解消できなかった。そのため、古典的ではあ るものの客観性に優れる積分筋電図に再度注目し、今回、後 遺症に対するBTxを併用したリハビリテーションの治療効 果を検証した。