正中法Electroneurography (ENoG)の予後推定基準の再検討 般法ENoGとの比較をもとに

摘要

Electroneurography (以下、ENoG)は、左右の複合筋活 重力電位(compound muscle action potential以下CMAP) の振幅の比率から患側の神経変性の程度を数量化し、予後を 推定する有用な検査法である[1，2]。我々は基準電極をオト ガイ隆起部に、導出電極を人中に設置する正中法ENoG [3， 4] を考案し、臨床経験を重ねてきた。正中法は基準電極を鼻唇 溝に導出電電極を口輪筋上に設置する一般法よりもCMAP の振幅が大きく、予後との相関も高い[5，6]。 2010年には正 中法による予後推定基準値について以下のように定めた[7]。 ENoG値が60%以上で2ケ月以内に治癒、20%以上60%未満 で4ヶ月以内に治癒、10%以上20%未満で6ケ月以内に治癒、 10%未満では治癒に至るまで最低でも2ヶ月を要し、発症後 50日時点において麻痺スコア16点以上で8ヶ月以内の治癒、 14点以下では非治癒の可能性が高いとした。