柳原40点法における各評価項目の検証一第3報一

摘要

顔面神経麻痺の重症度評価法として柳原40点法は長く使 用されており、日本顔面神経研究会でもその使用を推奨して いる[1]。我々は過去の本研究会において、発症3日目以後 に表情スコアが12点以上の不全麻痺であれば顔面神経麻痺 の予後は良好であり、麻痺初期における40点法の予後診断的 価値を報告した[2]。その後、以下の2つの検討を行った。 麻痺発症3日以内初診患者群と4日目以後初診患者群の麻 痺重症度および各評価項目スコア分布の検討、および、同 一患者において麻痺発症3日以内初診時と4日目以後再診時 の麻痺重症度およぴ各評価項目スコアの変化の検討を行つた 結果、安静時非対称、軽閉眼、片目つぶり、頰、口笛の5項 目は麻痺の重症度や麻痺の進行?改善を必ずしも反映しない ことがわかった[3，4]。本報告では対象数を増やして上記 と同様に、40点法の各評価項目のうちどの項目の完全/不全 麻痺の割合が合計点による麻痺の重症度分布に反映されてい るのかをあらためて検言すした。