指嚢を用いたラッパ型フードによる胃内異物（有鈎義歯）摘出の工夫

摘要

消化管異物の中で最も内視鏡的摘出が困難とされる有鈎義歯を誤飲し，当院で自作したフードを装着して合併症なく摘出に成功した症例を経験したので報告する．症例は，脳梗塞後遺症にて片麻痺を認め，療養型病院に入院中の72歳男性．約2cm大の4歯分の有鈎義歯を誤飲し，摘出目的にて当院へ紹介された．腹部単純写真にて義歯は胃内にあり，同日幕内式EMR用チューブを用い，バスケット甜子で摘出を試みるも，鈎が張り出して大きく，チューブ内に引き込めないため断念した．