琵琶湖流入河川知内川におけるビワマスの産卵生態および稚魚の浮上について

摘要

ビワマスOnccorhynchusざsp．は琵琶湖の固有種であるとともに（細谷2013），水産重要種であるため，明治時代から栽培漁業の対象とされ種苗放流が行われてきた（田中ほか2008；藤岡2009；田中2011）．種苗放流の手法は時代によって変遷してきたが，近年では3月頃に平均2g前後まで育てたビワマス種苗約80万尾を琵琶湖流入河川に分散放流している（田中2011）．放流手法の改善に伴い，1980年代と比べて流入河川に産卵遡上するビ ワマス親魚は増加した（藤岡1990；尾田ほか2008a；尾田2010，2011a；田中 2011）.