人工内耳装用者における旋律の識別と感受に関する検討

摘要

近年、人工内耳（以下CI)装用者のQOLのニーズ拡大に伴い、音楽聴取への期待は高ま りつつあるが、CIは音楽、特に旋律やピッチ情報の知覚は困難と言われている（Schulz & Kerber, 1994;大金.小渕.城間、2015)。一方で、近年においては音楽知覚向上の研究は 注目されるようになり、音楽を聞く練習を集中的且つ繰り返し行うことで、知覚の精度は向 上し徐々に音楽が楽しめるようになるという報告もみられる（Gfeller et al, 2001)。しかし ながら、識別成績に開する研究が進む中、対象者がどのように音楽を感受しているかという 主観的な側面に焦点を当てた報告は少ない。そこで、本研究では、CI装用者を対象として、 旋律識別と感受の側面について検討することを目的とする。