補聴器による音響療法を施行した慢性耳鳴患者500例の検討

摘要

慢性耳鳴患者に対して補聴器による音響療法は有効であり、本邦において標準的な治療となりつつあ る。近年、マスメディアの影響もあり補聴器による音響療法の社会的認知が広がり、本治療を希望する患 者が急増している。2007年に当科で耳鳴患者に対して補聴器による音響療法を開始してから10年以上が 経過したが、症例は現在までに500例を超えた。今回我々は、補聴器による音響療法を施行した慢性耳鳴 患者について、10年間での対象患者の変化や治療効果の経時的変化を中心に検討したので報告する。