消火医療呼吸器を柱に90余年命を守るノウハウでエンジン自動消火装置を提供

摘要

西鉄が夜行高速バスに採用した自動消火装置は西鉄車体技術が全国のバス事業者向けに発売するが，メーカーは神戸に本社があるエア·ウォーター防災である。より正確にいえばルクセンブルクのROTAREX社が開発·製造した消火装置FIREDETECを，エア·ウォーター防災が自社製品同様の品質保証をして西鉄車体技術に納めている。エア·ウォーター防災は2006年8月に川重防災工業が社名変更したが，その沿革は1924（大正13）年に川崎造船所内に創業した防災救命システム部までさかのぼる。1927（昭和2）年には国産初の酸素呼吸器を開発，1932年には潜水艦用の空気清浄装置を開発，1942年には航空機燃料タンク用消火装置の生産を開始した。戦後は1957年に国内初の医療用ガス配管設備を開発するなど，呼吸器事業と消火事業，医療事業を3つの柱で事業展開してきた。医療ガス配管設備は病院や各種医療施設で国内50%のシェアを持つほか，主に建物の火災で水が使えない消火作業に必要な窒素ガスなどのガス系消火設備では40%のシェア，さらに消防隊の救助活動や避難誘導に欠かせない呼吸器や酸素ボンベなども得意とし，国内の消防隊では実に80%が同社の製品を採用しているのだという。